動画が綺麗に撮れなくてモヤモヤしている。撮影用のライティング機材を導入してみたり、剥がせる壁紙で背景の色を変えてみたり、YouTubeで動画編集のやり方なんかを見たりして色々試してみたが納得いく動画が撮影できない。
いや画質にこだわる前に動画の構成・企画とか改善しろよって話ではあるんだけど、定期的に画質の悪さが気になって一日中調べたりしてしまう。もう調べるのにも疲れたし、何より時間をこれ以上無駄にしたくない。
ということでカメラを買い替える事にした。現状の不満点や新しいカメラに何を求めるのか記事にまとめる事で自分の頭を整理していきたい。
新しいカメラに求めるスペック

まずは新しいカメラに何を求めるのか整理していきたい。
現状の不満点
今使っているカメラは5年前に購入したソニーのα6400でレンズはSIGMA(16㎜/F1.4)を使っている。主な用途は室内で服のレビュー動画の撮影。現状の悩みとしては色味が思うように表現できない事。服の色味をありのまま伝えたいのに思った色味にならない。ちなみに、写真に関しては特に不満は無い。
では、なぜ色味が綺麗に表現できないのか。色々調べてみたがハッキリとした原因がわからない。なので、これが原因かなと思う所を新しいカメラで改善してきたい。


センサーサイズはフルサイズ
今使っているα6400のセンサーサイズはAPS-Cなので新しいカメラはフルサイズにしたい。
- フルサイズのセンサーサイズ:約36×24㎜
- APS-Cのセンサーサイズ:約23.5×15.6㎜
APS-Cからフルサイズになればセンサーの大きさが約1.5倍になるので、光を沢山取り込めて明るさや色の微妙な差を滑らかに記録出来るようになるらしい。また、暗所性能も上がるので暗い室内での撮影が楽になりそう。なので、次のカメラはフルサイズにする事にした。
動画撮影形式が10bit(4:2:2)
次に今使っているα6400は動画の撮影形式が8bit(4:2:2)なので新しいカメラは10bit(4:2:2)で動画撮影できるようにしたい。
「ビット深度?なにそれ?」って方向けにざっくり説明すると、
- ビット深度は色の細かさを表す数値
- 8bit(4:2:2)で表現できる色数:約1,670万色
- 10bit(4:2:2)で表現できる色数:約10億7,000万色
8bit(4:2:2)から10bit(4:2:2)になる事で表現できる色の数が約100倍に増える。なので、動画の色味で悩むことは無くなりそう。
ソニーの10bit(4:2:2)対応フルサイズカメラの一覧表
モデル名 | 発売年 | 画素数(約) | 新品価格(税込) | 中古価格(税込) |
---|---|---|---|---|
ZV-E1 | 2023年 | 1210万画素 | 約254,980円 | 約198,000円 |
α7C II | 2023年 | 3300万画素 | 約284,900円 | 約233,980円 |
α7 IV | 2021年 | 3300万画素 | 約383,900円 | 約185,000円 |
α7S III | 2020年 | 1210万画素 | 約526,900円 | 約235,000円 |
FX3 | 2021年 | 1210万画素 | 約581,900円 | 約420,000円 |
α1 | 2021年 | 5010万画素 | 約891,000円 | 約470,000円 |
FX6 | 2020年 | 1210万画素 | 約935,000円 | 約600,000円 |
今使っているカメラがソニー製なので、ソニーのカメラで10bit(4:2:2)対応フルサイズカメラを一覧表にまとめてみた。ちなみに、上から作成時点の新品価格順に並べている。
改めてフルサイズの価格に驚いた。高すぎる。条件に合うカメラだと安くても25万円から。予算的に厳しいので中古も視野に入れて調べてみると、4~5年前のカメラが中古だと半額ぐらいまで下がっていた。新品を買うか中古を買うか。どちらにするか迷った結果、発売年が新しい新品を買う事にした。理由としては、一眼の動画撮影機能はまだまだ発展途上だと思うから。
5年前にα6400(2019年2月発売)を買った当時はブログ全盛期。YouTubeをやっている人は少数派で、カメラを買う時に動画撮影のスペックなんか全く確認していない。そんな状況がここ5年で一変。ブログを辞めてYouTubeをメインにする人がどんどん増えていき、それに合わせてスマホやカメラの動画撮影機能も飛躍的に向上した。写真撮影に関しては高性能の少し古いカメラを安く買うのもありだと思うが、動画撮影に関しては発売日が新しいカメラの方がAFの精度だったりスピードが大きく改善されている気がする。なので、中古では無く発売日が新しい新品のカメラを選ぶ事にした。
候補はα7CⅡとZV-E1
項目 | α6400 | α7C Ⅱ | ZV-E1 |
---|---|---|---|
発売時期 | 2019年2月 | 2023年9月 | 2023年4月 |
センサーサイズ | APS-C | フルサイズ | フルサイズ |
有効画素数(動画撮影時) | 約2420万画素 | 約2760万画素 | 約1010万画素 |
最大動画解像度 | 4K30p | 4K60p(クロップあり)4K30p(フル) | 4K60p(フル)4K120p(FWアップで) |
オーバーサンプリング | 6K→4K(30pまで) | 7K→4K(30pまで) | ✕(低画素なので非対応) |
4K60pのクロップ | 非対応 | 約1.5倍(APS-C相当) | なし(フル) |
記録形式 | XAVC S | XAVC S / HS / S-I | XAVC S / HS / S-I |
10bit 4:2:2対応 | ✕(8bit) | ○ | ○ |
手ブレ補正 | 電子(動画時) | 光学+アクティブ電子補正 | 同左+ダイナミック補正(強力) |
瞳AF(動画時) | ○(人のみ) | ○(人・動物) | ○(人・動物・車) |
Log撮影 | S-Log2/3 | S-Log3 / Cine EI対応 | S-Log3 / Cine EI対応 |
AIフレーミング | ✕ | ✕ | ○(顔追尾で構図を自動調整) |
重量 | 約403g | 約514g | 約483g |
バリアングル液晶 | ○ | ○ | ○ |
価格帯(2025年5月 中古目安) | 約8万〜 | 約23万〜 | 約25万〜 |
ソニーの10bit(4:2:2)対応フルサイズカメラを新品で買おうとすると予算的にα7CⅡかZV-E1の二択。一体何が違うのかチェックしていきたいと思う。


α7cⅡの方が有効画素数が高い
まず大きな違いは有効画素数。α7CⅡの方が2倍近く高解像度になっている。
- α7C II:静止画時は約3300万画素。動画時約2760万画素。
- ZV-E1:静止画時は最大約1210万画素。動画時:最大約1010万画素
ちなみに、今使っているα6400は公式のスペック表を見ると静止画時と動画時で分けられておらず約2420万画素と書かれているだけ。スペック表を見ても当時は写真メインなのが伝わってくる。
ZV-E1は低画素のおかげで暗所性能が高い
ZV-E1の方は画素数が低いからダメなのかと言うとそんな事は無い。細かい原理は理解していないが、ZV-E1は画素数を敢えて下げる事で暗所性能を高めているらしい。なので、花火やライブハウスなど暗い場所で撮影する際にISOを上げてもノイズが出にくい。
ZV-E1は4K60pがクロップ無しで撮影できる
項目 | α7C II | ZV-E1 |
---|---|---|
センサー画素数 | 約3300万画素 | 約1210万画素 |
最大解像度(動画) | 4K(3840×2160) | 4K(3840×2160) |
オーバーサンプリング | 7K→4K(1.2×クロップ時) | なし(センサー自体が低画素) |
4K 24p/30p(フルサイズ) | ○(6Kオーバーサンプリング) | ○(フル画角) |
4K 60p(クロップ) | ○(約1.5倍クロップ) | ○(フル画角) |
4K 120p | ✕ | ○(※2023年12月以降のアップデート) |
Full HD 120p(S&Q含む) | ○ | ○ |
フレームレート(通常) | 24p / 30p / 60p | 24p / 30p / 60p / 120p |
スロー&クイックモーション(S&Q) | ○(1~120fps) | ○(1~240fps) |
動画記録方式(コーデック) | XAVC S / XAVC HS / XAVC S-I | 同左 |
ビットレート最大 | 約600Mbps(XAVC S-I) | 約600Mbps(XAVC S-I) |
カラービット深度 | 10bit 4:2:2 対応 | 同左 |
高画素のα7CⅡの方は4K60pを撮影する時に1.5倍ズームされるクロップがかかり画角が狭くなるがまたZV-E1は4K60pがクロップ無しで撮影できる。ちなみに、クロップが起こる理由はデータ量を抑える為。高画素センサーから映像を読み出すとデータ量が膨大になるので、画面の中央だけを切り取るクロップをして処理負荷を軽減しているらしい。一方、ZV-E1は画素数が低いので元々のデータ量が少ないので、高フレームレートもクロップ無しで撮影できるらしい。
ちなみに、60pや120pのような高フレームレートで撮影する主なメリットは以下の2つ。
- スローモーションが滑らかにできる
- スポーツなど動きが多いシーンでもクッキリ撮影できる
α7CⅡに決めた

ここまでの話を踏まえてα7CⅡとZV-E1がどんなカメラなのか一言でまとめると、
- α7CⅡ:1台で写真・動画も高画質に撮影できる万能モデル
- ZV-E1:暗い所に強い映画のような表現ができる動画専用機
では、自分の利用状況がどんな感じかと言うと、動画撮影が9割で写真はほとんど撮っていない。なので、動画専用機と言われているZV-E1の方が用途に合っているかもしれないが以下の2点の理由でα7CⅡを買う事にした。
- スローモーションを使う予定が無い
- 動画専用機に振り切る勇気が出なかった
ミュージックビデオなど映像作品を作るのであれば編集でスローモーションにできた方が表現の幅が広がると思う。だけど、自分が撮影しているのは商品のレビュー動画。PVでは無いので必要以上に商品を良く見せたくない。むしろ、どんな商品なのかありのままを詳細に伝えたい。
あと、動画専用機に振り切る勇気が出なかった。今は動画撮影が9割だが今後写真をガッツリ撮影したいと思う日が来るかもしれない。写真がメインになる可能性は少ないと思うが、変化の激しい時代に柔軟に対応できるように写真も動画もそれなりに撮影できるα7CⅡに決めた。
これでやっとカメラが決まったとホッと一息ついたのも束の間。レンズがあるのを忘れていた。もうカメラ選びで疲れ果てたのと、レンズを妥協して後悔したくないのでソニーの最高級レンズのGMレンズを買う事に。流石にレンズは中古にしたが、それでも12万。カメラ本体が約27万なので合計で約40万円。改めて金額を見ると血の気が引いた。こんな高いカメラとレンズを買って大丈夫なのか。踏ん切りがつかなくて一週間ぐらい悩んだが、ここで一歩踏み出さないと何も変わらない気がしたので不安で震えながら注文した。もうYouTubeとブログを頑張るしかないので今後ともよろしくお願いします。

